ホームページのリニューアルは、デザイン変更だけではありません。既存URL、検索流入、問い合わせフォーム、計測、ドメインや各種アカウントの権限を、新しい環境へ正しく引き継ぐ作業です。
チェックリストを自社サイトへ当てはめ、残すURL・移す機能・見積り範囲を相談できます。
現在のURL、リニューアル理由、残す問い合わせ・予約・決済、CMS、URL変更、公開時期、予算を確認し、発注前に必要な移行・検収・切戻し条件を整理します。顧客情報、契約書、管理画面の認証情報は初回フォームへ送らないでください。
このチェックリストは、発注前、見積、制作、公開日、公開後の確認に使えます。すべての項目が必要とは限りません。現在のサイト、URL変更の有無、CMS、予約・決済・会員機能、法令や社内承認に合わせて対象を確定してください。
最初にリニューアルの種類を分ける
| 変更 | 主な確認 | 注意 |
|---|---|---|
| デザイン中心 | 見出し、導線、スマホ表示、フォーム | URLと本文を維持しても、HTML構造や内部リンクが変わる。 |
| CMS・テーマ変更 | URL生成、画像、schema、プラグイン、編集権限 | 公開HTMLと管理画面の仕様が変わる。 |
| URL構成変更 | 旧新URL対応表、301、canonical、内部リンク | ページ単位で移行し、関係のないページへ一律転送しない。 |
| ドメイン変更 | 所有権、DNS、メール、Search Console、転送 | サイト内のパス変更とは手順が異なる。 |
| サーバー変更 | PHP・DB・メール・SSL・DNS・バックアップ | URLが同じでも停止時間やメール影響を確認する。 |
| 事業・ブランド変更 | 会社名、サービス、契約、実績、外部情報 | 根拠情報と問い合わせ先を同時に更新する。 |
発注前に確認する12項目
旧URLと新URLの対応表を作る
URLを変更する場合は、公開前に一対一の台帳を作ります。Googleのサイト移行ガイドも、現在のURLから新しいURLへの対応表を準備し、サーバー側の恒久転送を設定する流れを案内しています。
| 旧URL | 判断 | 新URL・状態 | 理由・担当 |
|---|---|---|---|
| 流入・問い合わせがある | 維持または改善 | 同一URL、または同等内容へ301 | 検索意図と成果を引き継ぐ |
| 内容が重複する | 統合 | 代表ページへ301 | 本文と内部リンクを統合する |
| 終了サービス | 代替あり/なしを判断 | 関連先へ301、または404・410 | 関係のないTOPへ転送しない |
| 新しい検索意図 | 新規作成 | 固有URL・自己canonical | 既存ページとの重複を確認する |
恒久転送は、利用者と検索エンジンを旧URLから対応する新URLへ案内するために使います。転送後も、内部リンク、canonical、サイトマップは最終URLへ更新します。
Google Search CentralのURL変更を伴うサイト移行 / リダイレクトに関する公式案内
見積書・契約・所有権を確認する
| 費用区分 | 含める範囲 | 別途になりやすい作業 |
|---|---|---|
| 現状調査 | URL、流入、技術、導線、アカウント確認 | 大規模ログ解析、外部システム調査 |
| 情報設計 | サイト構成、URL、導線、ワイヤー | 追加部門・多言語・複数ブランド |
| 原稿・素材 | 支給、編集、取材、撮影のどこまでか | 専門家監修、遠方撮影、翻訳 |
| デザイン・実装 | テンプレート数、機能、スマホ対応 | 予約、決済、会員、外部API |
| 移行 | 本文、画像、URL、301、フォーム、計測 | 大量データ整形、メール移行 |
| 公開・検収 | テスト、修正回数、公開作業、成果物 | 休日・夜間対応、緊急切り戻し |
| 公開後 | 保守、バックアップ、軽微修正、改善 | 新規ページ、大幅改修、機能追加 |
ドメイン、サーバー、CMS、原稿、画像、デザインデータ、解析アカウントの名義と引き渡し条件を確認します。契約終了時の移管方法、バックアップ形式、削除時期も書面に残します。
内容・デザイン・スマホ表示を検収する
- 会社名、所在地、電話、メール、営業時間、サービス名が最新で一致している。
- 各ページの対象、提供範囲、費用条件、問い合わせ方法が分かる。
- 実績、資格、数値、口コミ、写真に確認可能な根拠と利用許諾がある。
- テーマのH1と本文見出しが重複せず、H2・H3の階層が自然である。
- 390px前後でも文字・ボタン・表・画像がページ全体を横にはみ出さない。
- キーボード操作、ラベル、代替テキスト、コントラストを確認する。
- 長いURL、表、埋め込み、Cookie表示が重要操作を隠さない。
SEO移行で確認する15項目
ドメイン全体を変更する場合は、旧・新両方のSearch Console所有権、301、サイトマップなどを確認した後、条件に該当するときだけアドレス変更ツールを検討します。サイト内の一部パス変更では同ツールを使いません。Search Consoleアドレス変更ツールの公式案内
フォーム・予約・計測を確認する
- 問い合わせ種類、必須項目、同意、エラー、確認画面、送信完了を確認する。
- 送信先、管理者通知、利用者への自動返信、迷惑メール判定を確認する。
- 電話番号、予約URL、外部決済、採用応募、資料ダウンロードを確認する。
- 本番で実在する個人情報を使わず、テストデータの削除方法を決める。
- フォーム開始・完了、電話・予約リンクなどの主要イベントを確認する。
- 問い合わせ後の商談、来店、予約、受注を事業側で記録する。
送信テストは実際の外部送信を伴います。担当者、宛先、テスト内容、実施日時を事前に決め、公開監査で無断送信しません。
公開日に行う監査
- 公開前バックアップと切り戻し手順を確認する。
- DNS・SSL・サーバー・CMS・メールへの影響を確認する。
- TOP、主力サービス、料金、実績、会社、問い合わせを確認する。
- 重要URLの200、301、404、canonical、noindex、H1を確認する。
- ヘッダー、フッター、パンくず、本文の重要リンクを確認する。
- 構造化データを解析し、画面上の内容と一致させる。
- スマホ幅で横はみ出し、操作不能、文字切れを確認する。
- サイトマップを取得し、正規URLと公開状態を確認する。
- フォームは許可されたテストだけを実施する。
- 公開日時、担当者、確認結果、残課題を記録する。
公開後に監視すること
大きな変更では、検索エンジンが旧・新URLを再取得し処理する間、表示や順位が変動する場合があります。固定期間で回復を保証せず、次の傾向を継続確認します。
- Search Consoleのページ、クエリ、表示、クリック、CTR、インデックス状況
- 旧URLのアクセスと301、404、5xx、クロール状況
- フォーム、電話、予約、商談、受注の事業側記録
- 主要ページの表示速度、スマホ表示、JavaScriptエラー
- 古い会社情報、料金、営業時間、キャンペーン、外部媒体との不一致
サイトマップはURL発見を助けますが、すべてのURLのクロールやインデックスを保証するものではありません。Googleのサイトマップ概要
公開可否を必須条件・残課題・停止条件で判断する
| 区分 | 記録する内容 | 判断例 |
|---|---|---|
| 公開必須条件 | 主力ページ、会社・料金、フォーム実受信、重要URL、DNS・SSL・メール、バックアップ | 一つでも未確認なら延期または対象機能を公開しない |
| 公開後対応できる残課題 | 影響の小さい画像差替え、軽微な文言、低優先ページ、改善候補 | 担当者、期限、影響範囲、暫定表示を記録して公開判断 |
| 公開停止条件 | 誤料金、個人情報露出、フォーム未着、重要404、意図しないnoindex、メール停止 | 公開を止める、または切戻して原因と再試験条件を記録 |
| 承認 | 事業責任者、制作、システム、問い合わせ担当の確認結果 | 誰が何を確認し、何を未確認のまま承認したかを残す |
公開日を優先して未確認事項を「問題なし」と扱いません。公開判定の時刻、対象バージョン、残課題、次の確認日を一つの記録にまとめます。
フォームは利用者側完了と担当側受信を突き合わせる
- 入力:相談種別、必須・任意、エラー、同意、スマホ操作を確認する
- 利用者側:完了画面と自動返信で、受付状態、次の連絡、重複送信を避ける方法を示す
- 担当側:担当メール、共有受信箱、CRM、予約・応募台帳で実際に受け取れることを確認する
- 振り分け:部署、店舗、サービス、採用などの宛先と担当不在時の引継ぎを確認する
- 計測:フォーム開始・完了と、実受信、予約確定、商談、対象外を別の状態として記録する
- 障害:迷惑判定、未着、重複、外部サービス停止時の代替窓口と再試験を決める
本番送信は宛先と実施時刻を承認したテストだけにします。氏名、メール、電話、相談本文をURLや解析イベントへ含めず、テストデータの削除先と期限を決めます。
切戻しは手順書だけでなく復元できることを確認する
| 対象 | 切戻し前に確認すること | 復元後の再確認 |
|---|---|---|
| ファイル・CMS | 対象版、保存場所、復元担当、所要時間、更新停止 | 主要ページ、画像、管理画面、キャッシュ、ログ |
| データベース | 取得時刻、公開後データの扱い、フォーム・注文への影響 | 投稿、設定、ユーザー、受付データ、文字化け |
| DNS・ドメイン・SSL | 現行値、TTL、権限、メール・外部サービスへの影響 | 名前解決、HTTPS、メール、サブドメイン、外部連携 |
| URL・検索設定 | 301、canonical、noindex、サイトマップ、旧新URL台帳 | 200・301・404、内部リンク、Search Console、正規URL |
バックアップが存在するだけで復元可能とは限りません。ステージングなど許可された環境で復元方法を確認し、公開後に追加された問い合わせ・予約・注文データを失わない扱いを決めます。
引継ぎはアカウント一覧と終了前リハーサルまで行う
- ドメイン、DNS、サーバー、CDN、SSL、CMS、メール、フォーム、予約・決済、解析、タグ、広告の契約者と管理者を一覧化する
- 会社管理アカウント、復旧先、二要素認証、請求、更新期限、ライセンスを確認する
- 公開URL、旧新URL、原稿・画像・制作データ、設定、監査結果、未対応事項を受け取る
- データ出力、管理者追加、バックアップ復元、ドメイン移管、DNS・メール変更を終了前に確認する
- 引継ぎ完了後は旧制作会社・退職者・不要な外部担当の権限を削除する
契約終了日、閲覧・修正可能期間、移管支援、追加費用、停止する外部サービスを契約時に決めます。パスワードや二要素認証コードを共有資料へ平文で残しません。
検収時に受け取るもの
- 公開URL一覧と旧新URL対応表
- 301・404・canonical・noindexの監査結果
- ドメイン、サーバー、CMS、Search Console、Analyticsの権限
- 原稿、画像、デザイン、ソース、設定、ライセンスの扱い
- バックアップ、復元、更新、障害時連絡の手順
- 保守範囲、別途作業、解約、引き継ぎの条件
TRAILの対応範囲はホームページリニューアル、SEO対策、保守管理で確認できます。費用区分は料金・費用相談をご覧ください。
よくある質問
リニューアルでURLは変えない方がよいですか?
一律には決まりません。既存URLが内容と合い、運用上の問題がなければ維持を検討します。変更が必要な場合は、旧新URL対応表、301、内部リンク、canonical、サイトマップを同時に整えます。
古いページはすべて新しいTOPへ転送しますか?
しません。同等または近い内容がある場合は対応先へ転送し、代替がない削除ページは404・410を検討します。関係のないTOPへの一律転送は避けます。
公開後すぐに順位は元へ戻りますか?
固定期間や順位は保証できません。変更規模、URL数、サーバー状態、再クロール・再処理などで異なります。Search Consoleと事業側成果を継続確認します。
相談時に何を共有すればよいですか?
現在のURL、目的、変更希望、ドメイン・サーバー・CMS、必要機能、公開希望時期、予算、更新担当者を共有すると、見積範囲を整理しやすくなります。問い合わせ送信だけで契約や作業開始にはなりません。
SEO・GEO・ホームページ制作のFAQ
発注前に確認したい用語、AI検索対策、WordPress保守、制作の流れ、リニューアルの注意点をまとめています。